私たち動物は、その名のとおり “動く”ことで日々の生活を営み、幸福を感じ、生きることができます。“動く”こと、すなわち“歩く”、“嚼む”、“持つ”、“振る”、“避(よ)ける”、“支える”などの“運動”によって目的地まで身体を移動させ、障害物を避け、食物をとらえるなどの行動が可能となります。これら“運動”は、骨・軟骨、関節、筋肉、腱・靭帯からなる運動器(locomotive organ)と運動器の働きを調節する神経によってなされます。

私たちは、動物として生きることの根本である“動く”を守りたいと考え、「動物運動器病院」を日本で初めて標榜しました。北海道動物運動器病院は、伴侶動物の運動器の健康管理を受け持ち、皆様の大切な家族の一員である動物の健康に向き合って行きたいと考えています。

当院の強み

健康の源である「運動器」の病気の治療に力を入れた動物病院

健康の源である「運動器」の病気の治療に力を入れた動物病院

運動器(筋、靭帯、骨、関節)が動くことが動物の健康につながります。体を動かすことで血液循環や神経との統合が改善され、全ての臓器の健康が改善・維持されます。
動くこと(歩く、走る)は、心の改善をももたらし、生きる活力となります。
運動器の機能不全や痛みから愛する動物を解放し、生きる活力を蘇らせたいと思います。

徹底した衛生環境

徹底した衛生環境 徹底した衛生環境 徹底した衛生環境

動物医療を行う上で、被毛や汚れ、匂いの問題と対策は、衛生環境を確保維持するために極めて重要です。日常的な実施や瞬時の対応により、理想的な衛生環境に近づける努力を続けています。特に、本院の活動の中心である「手術治療」では、手術のスキルや成し遂げるための支援器材の充実はもちろんのこと、「手術環境衛生の徹底」を手術を実施する上で基本かつ最も重要であると位置づけ、努力しています。
手術室の独立、清掃消毒、手術器材の消毒滅菌、手術部位の剪毛と消毒、ドレープ(覆布)の完全ディスポーザブル化、ラビング法による手指消毒を徹底して実施しています。特に、手術の際の動物側の準備や消毒、ドレーピングは、手術後の成績に大きくかかわるだけに最も注意しています。
一例ですが、剪毛後に2種類のポピドンヨード液でスクラビングした手術野に対するドレーピングでは、製品化されたディスポーザブルドレープ(各種サイズの紙製不透過性不織布)を使用し、基礎ドレープの後に全体を覆うドレープ、フィルム状のインサイズドレープ、最後に血液等吸水用ドレープを行います。このように、手術創からの感染を防止するために、何重もの無菌操作を厳重に行っています。

精度を高める診断と治療

精度を高める診断と治療 精度を高める診断と治療 精度を高める診断と治療

正しく精度の高い運動器治療を行うためには、五感を活かした基礎診断、とりわけ徒手検査や一般的なX線検査診断が重要です。四肢の指(趾)先から体幹に向けての各関節の可動域検査(屈伸運動)は、関節の異常(炎症、関節軟骨の磨耗、靭帯損傷など)や関節周辺組織の異常(軟部組織の腫れ、骨折など)を知るために必須の検査です。また、X線検査では骨折や脱臼、脊椎の異常(椎間の狭窄、変形、奇形、腫瘍性病変など)が明瞭となります。しかし、椎間板ヘルニアや、関節内の靭帯や軟骨損傷、軟骨半月損傷では、CTや関節鏡などの専門機器によるより精度の高い診断が必要です。
精度の高い検査データに基づいた治療のみが、運動器の健康をすばやく回復させます。
運動器治療には、整形外科手術が有効な場合が多く、そのほとんどが訓練された特殊技術を必要とします。同時に特殊技術を支える専門機器の配備が必須です。骨折や矯正骨切り手術、前十字靭帯断裂のためのTPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)、人工関節置換手術など特殊手術の場合には、一般機器では代用することのできない手術内容に特化した専用の器材の使用が必須です。また、不測の事態を想定し、同一器材の複数の準備も重要です。

救急対応

救急対応

運動器疾患の多くは外傷性に、そして瞬時に発症します。
椎間板ヘルニアなどの急性の脊髄疾患は、発症後24時間が予後(治療成績)を左右するゴールデンタイムといわれています。また、骨折治療においては救急対象として扱わない施設もありますが、「甚大な骨折痛からの早期解放」、「開放骨折への移行など二次的拡大の危険防止」の理由から、可能な限り即日の手術治療をご提示しています。
傷害を悪化・拡大させないためにも、早急に鎮静化する必要があり、手術可能な二次救急対応が必要です。大きな動物病院の多くが休診となる“土日・祝祭日”に当院が活動するのもこのような理由からです。機動性・専門機器・技術力を配して、根本治療開始までに擁する時間を最短にします。

診療データの電子化

診療データの電子化 診療データの電子化 診療データの電子化

当院では診療データの電子化を行っています。
電子カルテ(Armics, PetCommunications,大阪)データや画像データ(通常X線、CT、MRI、手術中透視X線など)を、専用のコンピューター・サーバーに保存し、必要な時に必要なデータの取り込みが瞬時にできるような管理システムを採用しています。
これにより、紙カルテやX線写真フィルムにありがちな、日常的な利用や管理の煩雑さを解消し、円滑な業務遂行を実現しています。
電話でのお問い合わせの際にも、ご登録がある場合にはすぐさまカルテ情報の呼び出しができ、ご質問事項への回答やアドバイス、新規予約や変更などがお待たせすることなく可能となります。